【Memorandum】"コントロール:対照群"の存在意義について考える
分類屋の友人と分類や種概念について延々と議論していると「コントロールが無かったり間違っている論文が分類学論文にとても多い」という話に度々なる。此処で言う"コントロール"とは一般的に使われる"操作"として意味する言葉ではなく"対照群"の事。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BE%E7%85%A7%E5%AE%9F%E9%A8%93...
View Article†Oncelytris esquamatus Li, Yan-Da, Huang, Di-Ying, Cai, Chen-Yang, 2023についての検証
†Oncelytris esquamatus Li, Yan-Da, Huang, Di-Ying, Cai, Chen-Yang, 2023.Holotype data: Amber mine located near Noije Bum Village, Tanai Township, Myitkyina District, Kachin State, Myanmar; unnamed...
View Article【Memorandum】マダガスカル島とコモロ諸島のProsopocoilus属種群に係る問題
コモロ諸島とマダガスカル島では、それぞれでノコギリクワガタ属種群の分布が見られる。しかし其の分類上の問題として気になる点が多数見つかったため今回まとめていく。(マダガスカル島産Prosopocoilus。巨大な完全大歯は結構な迫力)...
View Article【Memorandum】正体不明のクワガタムシについての例2
2002年採集とされる南米のSphaenognathus sp. 1♂個体。データの示す産地エリアからは此の1♂以外に同属の存在を知らず、追加資料も全く見られない。(詳細産地の公表は控えるが、ヒントを言えばシワバネクワガタ属の採集例としては初めて知るエリアのデータだった) 入手時は別の既知普通種と誤同定されていた。...
View Articleルイセンコ論争の要点
社会のインフラは結構な割合で科学的な技術に頼りきっている。反して疑似科学というものが知られ、インターネット上で調べても大量の話が出てくる。疑似科学とハッキリ判るものと、科学との境目が判然としないものがある。https://gigazine.net/news/20210505-trusting-science/...
View Article【Memorandum】クワガタムシ科等分類のための観察
"同定"となるとタイプ個体や学名の事が関わってくるが、其れまでにとりあえずグルーピングだけしておこうとなると、学名の付与をせずとも"既知の分類群に対して、どの生物集団が種と分けられるか、亜種と分けられるか"等の分類は可能である。...
View Article【Memorandum】タイにカスタノプテルスマルバネクワガタはいるのか
今回のタイトルについて、ちょっと知ってる人の中には「何を阿保な。図鑑に掲載あるでしょ」と思う人達がいそうな予感がする。しかし少々難しい問題にぶつかったため記事にしておく。...
View Article【Memorandum】正体不明のシロカブトの例
友人達から時折データの事で問い合わせが来る事がある。昔に集めた他者採集品のコレクション群の中に、違和感があるものが見つかる事がある。或いは転売系商売人から妙な売りのオファーの話を聞く場合など。ヒルスシロカブト系グループでも其れがあった時の事、色々ややこしい話があると話題になった。、、、、、...
View Article【Memorandum】分類の難しい例、ペラルマトゥスマルバネクワガタ
長年に亘り悩んできた分類群例としてNeolucanus perarmatus Didier, 1925:ペラルマトゥスマルバネクワガタがある。人間が問題を引き起こして訳が分からなくなっている分類群というよりも、生物学的に種内分類の解釈が困難な分類群として。 N....
View Article【Memorandum】正体不明のクワガタムシについての例3
2022年に採集されたPrismognathus sp. :オニクワガタ属不明種。当記事で産地データの公開は控えるが、iNaturalistで探すとデータに近い場所で外形のよく似た個体の観察記録が見つかる。同産地では他種は多数見かけるものの、此のオニクワガタ不明種だけは見かけない。(オニクワガタ属不明種。中国四川省のシャンオニクワガタによく似るも、産地は結構離れる)...
View Article【Memorandum】真のメラスマルバネクワガタはインド・ナガランド産のものなのか
カスタノプテルスマルバネクワガタについて網羅的に調べようとしていた折、標本商の友人がインド・ナガランドで似た個体群を見つけていたらしい事を知った。カスタノプテルスに似てはいるが、なんだか異様な体型に見える。しかも黒化型も見つかっているらしかった。(インド・ナガランド産のカスタノプテルスマルバネに似た♂個体。大顎は短く、前脚は細くケイ節外棘は突出が弱め、前胸は幅が比較的狭く、エリトラは卵形的で長め)...
View Article【Memorandum】"Gnaphaloryx miles var. laticornis Boileau 1903"(?)
過去に変わったソリアシサビクワガタを2頭手にする機会があった。詳細は公表しないがニューギニア島に近い離島の産。(初見時は「そんな場所にミレス?」と意外さを感じた) 一見ミレスソリアシサビクワガタに似るも、頭部の前方に伸びる角状突起は比較的太く、基部内歯の出方も異なるらしい。 調べてみるとそっくりな外見の、ニューギニアを基準産地とする既知分類群"Gnaphaloryx miles var....
View Article【Memorandum】 Digonophorus属分類の有効性について
ヒマラヤ山脈から雲南の山脈群にかけてGenus Digonophorus Waterhouse, 1895:セスジクワガタ属が分布する。殆どが西暦2000年以降の十数年で次々と発見された新分類群。 中標高〜高標高にかけて分布し、成虫の雌雄で形態差が大きい事から♂と♀で別種扱いだった時代もあった。(分類群単位では粗方揃え、友人達の個体群も見せてもらい判別法も大体を理解。♀の分類群識別は難易度が高い)...
View Article【Memorandum】Odontolabis属不明種個体の議論
仏国の通販サイトで"O. leuthneri"として売られていた虫個体があった。しかしなんだか妙な雰囲気の見た目をしていた事と即決2千円くらいと安価だったので発注してみる事にした。(不明種♂個体は体長54.9mm。見慣れない雰囲気) 実物が届くと、やはりOdontolabis leuthneri Boileau,...
View Article【Memorandum】ミャンマー北部カチン州産ボレルノコ似Prosopocoilus?不明種個体について
インド東部アッサムから記載されたProsopocoilus (Kirchnerius) boreli (Boileau,1904):ボレルノコギリクワガタは希少種と知られ、インド東部ナガランド、ミャンマー北部に局在的な分布、またインド北東部アルナーチャル・プラデーシュ州とチベットで多産地が知られる。...
View Article【Memorandum】 "Figulus trilobus Westwood, 1838"はNigidius属なのか
オーストラリア産Figulusの不足分を補充していた頃、見慣れない個体群があったから調べてみると其れ等は"Figulus trilobus Westwood, 1838:トリロブスチビクワガタ"であるらしいと知った。希少性は不明瞭だが普通種ではなさそう。...
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